競馬の口取り式とは何か|流れ・参加方法・服装まで整理

競馬のレース後、ウイナーズサークルに馬と関係者が集まって行う記念撮影を「口取り式」と呼びます。テレビ中継でもたびたび映し出されるこの光景は、馬主や騎手、調教師などにとって勝利の喜びを分かち合う特別な場面です。一口馬主として出資している場合、抽選で当選すれば会員本人もこの撮影に加わることができます。

「口取り」という言葉は、馬の口に装着する馬具「ハミ」につながる手綱を持つ動作に由来しています。JRA公式サイトの競馬用語辞典によると、「馬の口をとって発馬機内に誘導したり、暴れそうな馬を抑さえていること。また勝った馬がウイナーズ・サークルで行う記念撮影のことをさす場合もある」とされています。つまり「口取り」という言葉自体には2つの意味があり、現在は記念撮影の場面でよく使われています。

この記事では、口取り式の基本的な意味から、一口馬主として参加するための流れ、服装のルール、当日の注意点まで順を追って整理します。競馬を観戦するファンとして、あるいは一口馬主として参加を目指す人にとって、口取り式への理解を深める一助になれば幸いです。

口取り式の基本を押さえる

口取り式がどのような場で行われ、誰が参加するのかを整理しておくと、レース観戦のときに見え方がぐっと変わります。JRA公式サイトでは馬主の特典として「愛馬がレースで勝利すると、観衆の前で口取り(記念写真撮影)を行い、特別レースでは馬主を中心とした表彰式も行われます」と案内されており、関係者にとって格別な場面として位置づけられています。

口取り式が行われる場所と場面

口取り式は、レース後にウイナーズサークル(勝馬写真撮影エリア)で行われます。ウイナーズサークルは各競馬場のスタンド付近に設けられており、一般観客からも目視しやすい位置にあることが多いです。

重賞レースのように注目度が高いレースでは、ウイナーズサークルでの口取り撮影に続いて表彰式が行われる場合があります。口取り式と表彰式は別物であり、口取り式はあくまでも記念写真の撮影を指しています。一般のレース(平場と呼ばれる日常的なレース)では表彰式なしで口取りのみが行われるケースがほとんどです。

ファンにとっては、ウイナーズサークルに馬が引き入れられ、関係者が整列して撮影する一連の流れを観覧できる機会です。競馬場によって観覧できる距離や角度は異なりますが、多くの場合、スタンドからある程度の距離で見られます。

口取り式に登場する関係者

口取り式には、勝利した馬に関わる複数の関係者が集まります。中心になるのは馬主です。JRA公式サイトによると、口取りは馬主の特典のひとつとして明示されています。

騎手はレース終了後に馬上から降り、馬の横に並んで撮影に加わります。調教師や厩務員など厩舎スタッフが馬の側に立つ場合もあります。馬主が個人馬主(JRAに馬主登録をした個人)の場合は、同伴者を連れることも許可されているケースがあります。

一口馬主クラブ(愛馬会法人)を通じて出資している場合は、抽選で当選した会員がこの関係者の列に加わる形で参加します。法的には馬の所有者はクラブ法人であり、会員は出資者という位置づけです。そのため個人馬主と完全に同じ扱いではなく、参加できる人数や方法がクラブごとに定められています。

口取り式の流れを時系列で確認する

レースが終わり1着が確定すると、勝利した馬はウイナーズサークルに向かいます。参加当選者は入線直後(一般的に1分以内)に各競馬場で指定された集合場所へ向かう必要があります。集合時間に遅れた場合は参加できないと各クラブの案内に明記されています。

集合場所でクラブスタッフや競馬場職員による確認が行われ、通行証が渡されます。その後、係員の誘導に従ってウイナーズサークルへ移動します。参加者は馬の左右に並び、騎手や調教師とともに記念写真が撮影されます。

撮影が終わると、出口まで先導される形で退場となります。一般的に、騎手や調教師との会話やサインの要請は禁止されています。また、ウイナーズサークル内での撮影・録画は禁止されていることが多く、DMMバヌーシーの案内でも「JRAの業務エリア内での携帯電話・スマートフォンの使用、写真ならびに動画撮影は禁じられています」と明記されています。

口取り式の参加で押さえておきたいポイント
・1着入線後、1分以内に集合場所へ向かう
・通行証を受け取ってからウイナーズサークルへ移動
・関係者への話しかけ・サイン要求は禁止
・ウイナーズサークル内での写真・動画撮影は禁止
  • 口取り式はウイナーズサークルで行われる勝馬記念撮影のことです
  • 参加できるのは馬主・騎手・調教師などの関係者が基本です
  • 一口馬主の場合は抽選で当選した会員本人のみが参加できます
  • 入線後1分以内に指定集合場所へ向かう必要があります

一口馬主が参加するための手続きと抽選のしくみ

一口馬主として口取り式に参加するには、事前の申し込みと抽選当選が必要です。クラブによって細部は異なりますが、基本的な流れは各クラブ共通しています。参加を希望する場合は、受付時間や申込方法を事前に把握しておくとスムーズです。

申し込みのタイミングと方法

出走確定は通常、レース開催日の前々日(土日開催であれば木曜日)に行われます。シルクホースクラブの案内によると、受付時間は「木曜日午後5時から金曜日午前10時まで」とされています。受付時間外の申し込みは無効になるため、出走確定の確認と申し込みをこのタイミングで済ませることが大切です。

申し込み方法は基本的にクラブの会員ページからオンラインで行います。電話やメールでの受け付けを行っていないクラブが多く、ウェブ上のフォームへのアクセスが必要です。申し込み画面の操作ミスや受付時間の見落としによって機会を逃すことがあるため、定期的にクラブの案内ページを確認しておくとよいでしょう。

当選・落選の通知と人数制限

当選の通知は通常、金曜日の正午頃までにクラブの会員ページやメッセージボックスで行われます。クラブによってはメールではなくサイト内の通知のみの場合があるため、確認場所を把握しておく必要があります。

参加人数には上限があります。シルクホースクラブの案内によると、通常のレースは1頭につき10名まで、重賞競走は2023年5月8日以降から20名まで参加できるようになりました。定員を超えた申込があった場合は抽選となります。抽選方法はクラブによって異なり、口数が多い順とする方式や、完全ランダムとする方式などがあります。

また、同一日に複数の競馬場でそれぞれ口取りに当選し、当日どちらかをキャンセルするケースが問題視されたことから、シルクホースクラブでは2026年1月より同一日の申し込みを1競馬場のみに変更するなどルール改正が行われています。参加希望の場合は、最新のルールをクラブ公式ページで確認してから申し込むことが必要です。

当選後に用意しておくもの

口取り式に当選しても、競馬場への入場券や指定席は別途用意する必要があります。口取り当選と入場券は連動していないため、自分で競馬場の入場手段を確保しなければなりません。DMMバヌーシーの案内には「GI当日は現金発売入場券を発売しない」などの制限も記載されており、GIレース当日など特定日はネット予約が必要になる場合があります。

当日は本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど顔写真付きのもの)の持参が求められます。会員証の提示もクラブによっては必要です。代理参加や同伴者の参加は認められていないため、参加できるのはあくまでも出資している本人に限られます。

申し込み前に確認しておきたい事項
・申し込み期間:木曜日夕方〜金曜日午前(目安)
・参加上限:一般レースは10名、重賞は20名(2023年5月以降)
・当日の入場券は自分で用意する
・代理・同伴参加は不可、本人のみ
  • 申し込みはクラブの会員ページからオンラインで行います
  • 受付時間は出走確定から翌日午前中までが多く、時間内に手続きが必要です
  • 当選後も入場券は別途準備する必要があります
  • 本人確認書類の持参が必須で、代理参加は認められていません

口取り式当日の服装と持ち物のルール

口取り式はウイナーズサークルという競馬場の業務エリアに入る機会です。JRAの運営するエリアのため、服装には一定の基準があり、基準を満たしていない場合は参加を断られることがあります。男女ともに、ラフな普段着とは異なるフォーマルな装いが求められます。

男性の服装の目安

男性の基本はスーツです。ジャケット・ネクタイ・ビジネスシューズ(革靴)の着用が求められます。夏季のクールビズ実施期間中は、ワイシャツにノーネクタイでの参加が可とされているクラブもありますが、ジャケットはシーズンに応じて着用が必要な場合があります。各クラブの案内に「クールビズ対応可」と明記されている時期以外は、通常のスーツスタイルで参加するのが基本です。

ポロシャツ・Tシャツ・ジーンズ・スニーカー(革製のものも含む)・サンダルは対象外とされており、DMMバヌーシーの案内でも明示されています。革靴のように見えても素材によっては認められないケースがあるため、迷う場合は革の本革靴を選んでおくと無難です。

女性の服装の目安

女性はスーツ、またはそれに準ずる服装が基準です。男性の服装に準じるという表現がクラブ案内に多く使われており、フォーマルなワンピースやジャケットスタイルが一般的な目安とされています。

ポロシャツ・Tシャツ・タンクトップ・ショートパンツ・ジーンズ・スニーカー・サンダルはいずれも対象外とされています。冬場はコートやマフラーを着用した状態での参加が可能とされているクラブもあります。レインコートの着用が可となっているケースもありますが、その際はボタンを閉めることが求められています。

持ち物と当日の注意点

ウイナーズサークル内への手荷物の持ち込みは原則禁止されています。リュックサックやハンドバッグ・カメラバッグなどの荷物はあらかじめ競馬場内の手荷物預かり所に預ける必要があります。傘の使用も通常は認められていないため、雨天時はレインコートを利用します。

当日は本人確認書類を持参する必要があります。また、受付で通行証を受け取ってからエリアに入るため、係員の指示に従った行動が求められます。馬に触れること、馬の近くで走ること、大声を出すこと、騎手や調教師などへの声かけ・サイン要求も禁止されています。これらのルールに違反した場合、当日の参加を断られるだけでなく、同クラブ全会員の口取り参加が停止となる可能性があるとクラブ案内に記されています。

服装チェック項目OKNG
男性トップススーツジャケット、ワイシャツTシャツ、ポロシャツ、アロハシャツ
男性ボトムススーツパンツジーンズ、ショートパンツ
男性シューズ革靴(ビジネスシューズ)スニーカー(革製含む)、サンダル
女性全体スーツ、フォーマルワンピースカジュアルワンピース、ジーンズ
荷物手荷物預かり所に預けてから入場ウイナーズサークル内への持ち込み不可
  • 男性はスーツ・革靴が基本です
  • 女性はスーツまたはそれに準じたフォーマルな服装が求められます
  • 荷物はウイナーズサークル内に持ち込めないため、事前に手荷物預かり所へ預けます
  • 服装が基準を満たさない場合、当日その場で参加を断られることがあります

観客として口取り式を楽しむ方法

口取り式は参加するだけでなく、観客として見る楽しみ方もあります。ウイナーズサークルの近くで撮影の様子を眺めることは多くの競馬場で可能です。また、重賞レースでは表彰式が別途行われ、勝利馬と関係者がスタンド前に登場する場面を間近で見られることもあります。

競馬場でウイナーズサークルを見るには

ウイナーズサークルは各競馬場の施設案内図に記載されています。東京競馬場や中山競馬場など主要場では、スタンドから歩いてアクセスできる観覧エリアが整備されており、柵越しに撮影の場面を見ることができます。競馬場によって観覧エリアの広さや近さは異なるため、初めて訪れる競馬場では事前に施設マップを確認しておくとよいでしょう。

重賞レース当日はウイナーズサークル周辺に多くのファンが集まります。特にGIレースでは観覧スペースが混雑することが多いため、早めに場所を確保しておくとゆっくりと見られます。レースが終わってから移動しても間に合う場合もありますが、混雑状況は当日の出走馬やレースの注目度によって変わります。

テレビ・映像で口取り式を見るには

地上波やCS放送の競馬中継でも、重賞レース後には口取り式の映像が流れることがあります。特にGIレース後は表彰式の映像を含む長めの中継が組まれることが多く、馬主・騎手・調教師らが並ぶ場面を画面越しに楽しめます。

JRA公式の映像配信や、競馬関連の動画プラットフォームでも過去の重賞口取り式の映像が公開されているものがあります。現地で観戦できない場合でも、映像を通じてどのような雰囲気で行われるかを把握することができます。

一口馬主を通じて参加する側になるには

観戦する立場から参加する立場になるには、一口馬主クラブへの入会と出資が前提となります。クラブは複数あり、1頭の馬を500口に分けて出資者を募る形式のものが多く見られます。1口あたりの出資金や月々の管理費はクラブ・馬ごとに異なるため、各クラブの公式サイトで詳細を確認することが出発点となります。

ただし、出資したとしても愛馬が勝利しない限り口取りに参加する機会はありません。また、勝利したとしても抽選に当選しなければ当日参加できません。出資から実際の参加までには複数のステップがあり、どのクラブのどの馬に出資するかの選択も含め、時間をかけて検討することが現実的な進め方といえるでしょう。

観客として口取り式を見るためのヒント
・事前に競馬場の施設マップでウイナーズサークルの位置を確認する
・重賞やGIでは混雑しやすいため、早めに観覧エリアへ移動しておく
・JRA公式や映像配信サービスで過去の口取り映像を参考にするのもよい
  • ウイナーズサークルは観客が外から見られるエリアとして設けられています
  • 重賞レースではGI表彰式として騎手や馬主がスタンド前に登場する場面もあります
  • 一口馬主クラブへの入会と出資を通じて参加する側になる道もあります
  • 参加には愛馬の勝利と抽選当選の両方が必要です

口取り式のよくある疑問を整理する

口取り式について「自分でも参加できるのか」「どんな気持ちになれるのか」など、さまざまな疑問が出てくることがあります。ここでは、よく挙げられる疑問を中心に整理します。

一般のファンは口取り式に参加できるのか

JRAの開催レースにおける口取り式は、原則として馬の所有者である馬主または一口馬主クラブの会員(出資者)に限定されています。一般のファンとして見に行くことや、単なる競馬好きとして応募できるような公募の仕組みはJRA開催では設けられていません。

参加できるのは、その馬に出資している会員本人のみです。同伴者や家族の同行参加もクラブの案内では認められていません。写真に写るのは関係者に限られますが、周囲からウイナーズサークルを見ることは観客として可能です。

地方競馬でも口取り式はあるのか

地方競馬でも口取りが行われるケースはありますが、JRA開催とは異なり、クラブや場によって対応が異なります。シルクホースクラブの案内には「地方競馬の勝ち馬写真撮影(口取り)は原則として行っておりません」と明記されており、実施する場合はクラブのメンバーページで別途案内するとされています。また、あるクラブの案内では「地方競馬(NAR)での口取りは原則行わない予定です」とされており、クラブによって対応が異なることが分かります。

地方競馬の重賞や交流重賞の場合は、表彰式として口取りが行われることもあります。参加できるかどうかはクラブの方針や当該レースの規程によるため、各クラブ公式情報を確認するのが確実です。

口取り式に参加した感想はどんなものが多いのか

一口馬主として実際に参加した人の記録を複数見ると、「人混みをかきわけてウイナーズサークルに向かう独特の興奮」「馬の大きさや熱気を目の前で感じる体験」「騎手や調教師と同じ空間に立てる非日常感」といった言葉が共通して出てきます。参加できる人数が限られているだけに、一口馬主のなかでも「なかなか当たらない」という声は多くあります。

一方で、集合時間が非常にタイトなこと、荷物を预けてから移動する手順に慣れが必要なこと、服装規定を事前に把握しておく必要があることなど、「準備が重要」という指摘も多く見られます。初めて参加する場合は、クラブから届く案内文を丁寧に読み、事前に集合場所を競馬場の施設マップで確認しておくと落ち着いて当日を迎えられます。

口取りの写真はどこで入手できるのか

口取りの記念写真は、JRAが撮影した公式写真として後日購入できるケースがあります。競馬場によっては場内の写真販売窓口で確認できます。クラブによっては、口取り参加者に対してクラブ経由で写真を提供・販売する仕組みを持っているところもあります。当選通知と一緒に写真の入手方法が案内されることもあるため、確認しておくとよいでしょう。

Q:口取り当選後に体調不良などでキャンセルした場合はどうなりますか?
A:キャンセルの手続き方法や期限はクラブごとに異なります。無断欠席や連絡なしのキャンセルが続くと、次回以降の応募に影響が出る場合があるとクラブ案内に記されています。当日の事情が生じた場合は、速やかにクラブへ連絡するのが基本です。

Q:口取り当日に入場券を忘れた場合、参加できますか?
A:口取りへの参加資格(通行証)と競馬場への入場は別です。入場券なしでは競馬場内に入れないため、口取りへの参加もできなくなります。入場券は事前にJRAのウェブサイトや各競馬場の案内で確認し、余裕を持って準備しておくことが大切です。

  • 一般ファンのJRA開催口取り式への参加は認められていません
  • 地方競馬でもクラブや主催者によって口取りの有無が異なります
  • 参加体験者の多くが「集合時間のタイトさ」を事前準備のポイントとして挙げています
  • 写真の入手方法はクラブや競馬場によって異なり、当選通知時に確認するのが確実です

当ブログは馬券の購入・投票を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身の責任のもとで行ってください。

まとめ

口取り式とは、競馬でレースに勝利した馬と関係者がウイナーズサークルに集まり行う記念撮影のことです。JRA公式サイトの競馬用語辞典では「口取り」を「馬の口をとって発馬機内に誘導したり、暴れそうな馬を抑さえていること。また勝った馬がウイナーズ・サークルで行う記念撮影のことをさす場合もある」と説明しており、記念撮影の意味として広く使われるようになった言葉です。

一口馬主として参加を目指す場合は、まず出走確定後にクラブのウェブサイトから申し込みを済ませ、当選通知を確認してから入場券の準備・服装の確認を行う流れが基本です。重賞レースでは参加人数が20名まで(2023年5月8日以降)に拡大されましたが、それでも人気のクラブでは抽選倍率が高くなることがあります。初参加を想定する場合は、集合場所の確認と服装の準備を早めに整えておくと当日の余裕につながります。

口取り式はファンとして観戦する立場と、一口馬主として参加する立場のどちらからも楽しめる場面です。競馬場で直接ウイナーズサークルを眺めるだけでも、勝利の雰囲気を肌で感じる体験になります。競馬の観戦をもう一歩深く楽しむきっかけとして、ぜひ一度ウイナーズサークルの近くに足を運んでみてください。

競馬との付き合い方に不安を感じた場合は、厚生労働省の依存症対策ページ(mhlw.go.jp)や各都道府県の相談窓口をご利用ください。

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